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【レースの楽しみ方】アシストとは?
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2023.03.07

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【レースの楽しみ方】アシストとは?

チームの大事な役割、”アシスト”について(清水監督)

サイクルロードレースの楽しみ方、アシストについて解説するJCL TEAM UKYOの清水監督
(JCL TEAM UKYO、清水監督

サイクルロードレースでは一般的に、勝利を上げる”エース”と、自分の成績を犠牲にしてもエースを守る”アシスト”という2つの役割に分かれます。”アシスト”について、すこし説明をしたいと思います。

すごく大まかに言うと、アシストの役割は3つあります。
⑴レース中に必要な水分補給用のボトルや補給食などをチームカーからメンバーに輸送する役割
⑵”エース”の風除けとなって、空気抵抗を軽減させて、体力を温存させる役割
⑶先頭集団で逃げることで、後方の主力メンバーをチームオーダーに集中させる役割

サイクルロードレース、自転車ロードレースで補給を行う、JCL TEAM UKYOの石橋学選手
(逃げるだけなく、チームのサポートを積極的に行う石橋選手

JCL TEAM UKYOの初戦となった中東二連戦では、暑い地域でのレースだったため、水分補給などのケアが非常に重要でした。
特に、ツアーオブオマーンの第4ステージでは、2時間ハイスピードのアタック合戦が続き、集団からチームカーに下がって補給を取るだけの余裕もないような展開でした。チームカーから補給の指令を出すのも酷だと思っていたところ、石橋選手は、チームの補給のために周りをケアして自然と動いてきてくれました。気が利く選手、というのはステージレース・ラインレースでは非常に重要な存在になります。

サイクルロードレース、自転車ロードレースで隊列を組み、空気抵抗をよけるJCL TEAM UKYO

サウジツアーでは、砂漠エリアで強烈な横風が吹き、集団を分断して選手の復帰などを困難にさせますが、アシスト選手に風除けになってもらうことで、後方にいる選手は、10~30%くらいの出力をセーブすることが出来ます。これは4~5時間もレースで走り続けるとなると、ものすごく大きな違いになってくるのです。

サイクルロードレース、自転車ロードレースで隊列になって逃げを行うJCL TEAM UKYO

サウジツアー、ツアーオブオマーンでは、連日JCL TEAM UKYOの選手が果敢に逃げにトライしていましたが、アシスト選手が逃げて展開を作っていくことで、後方の追走集団では、”エース”を中心とした次の展開に集中、備えることができます。”エース”が逃げようとすると、当然他のチームからマークされて簡単に逃げさせないようにしますから、アシスト選手が逃げを作っていくことも大事になってきます。

”エース”って実は......(小石選手)

サイクルロードレース、自転車ロードレースの国内トップ選手の一人である小石選手
(海外レース経験も豊富で、ツアーオブオマーンではUCIポイントを獲得した小石選手

アシスト選手は、自分の成績を気にせず、自己犠牲の上で”エース”の勝利に貢献する…。プロ選手として、最大の目標は”チームの優勝”です。そのために勝てる選手がいるなら、その選手に託すことがプロの仕事です。

現代のプロスポーツのほとんどがそうかもしれませんが、個の圧倒的な力よりも、チームの組織力が試されることが多いと思っています。たとえば 、今年のユンボ・ヴィスマ(欧州古豪チーム)、とにかく強いですよね。強い選手もそろっていますが、徹底した組織力で勝利を得ていると分析しています。

スペインでは、”やる気のある選手”というのは、ガッツがあるとかじゃなくて、チームのために働く気がある選手、という意味だと聞いています。それくらい、サクリファイス(=自己犠牲)をして、自分の体力を”エース”のために使って、自分の結果を出すことが出来なくても、チームが勝てばすべてが報われます。

それから実は、人によりますが、”エース”っていう存在は、すごい重圧を抱えて、精神的にもキツく、俯瞰してレースが見れなくなることも多いと思っています。

ツールド熊野、サイクルロードレース、自転車ロードレースの国際レースであり、JCL TEAM UKYOが総合優勝を果たした
(2022年のツールド熊野で、総合優勝を果たして、イエロージャージを獲得したネイサン選手

例えばツールド熊野では、”エース”のネイサン選手が、シビアなタイムギャップでリーダージャージ(総合順位1位の証)をキープしていたのですが、ひとつ展開を間違えると、その順位を失う可能性があり、レース中にかなり周りの展開を気にしてナーバスになっていました…。「タイムギャップはいくつだ?」「この坂で踏みすぎるとよくないぞ!」などなど…

アシスト選手として、彼を消耗から守るだけでなく、アシスト選手が周りにいることで、”エース”に情報をシェアし、一緒に走っているよ、ということ自体が精神的パワーになることもあるのです。