日本最高峰のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」 5日目は、長野県飯田市で開催。信州らしい山に囲まれたコースで、天竜川沿いの平地から最大勾配10%超えで標高555mの山岳ポイントまで登り、TOJコーナーを含むテクニカルな下りで長良川へ降りるアップダウンの激しいコースレイアウト。下久堅小学校グランド前がスタート・ゴール地点となる。 JCL TEAM UKYOとしては、総合優勝に向けて、このステージで少しでもタイムを稼いでおき、翌日の富士山ステージを万全の体勢で臨みたいところ。

パレード走行から周回コースの登りに入り多くのアタックがかかる中、単独で抜け出したのはメトケル・イヨブ(TSG)。続いて2名の選手が追走、テグシュヤール・バッサイカン(ROI)とフランシスコ・マンセボ(MTR)が先頭に追いつき、そのまま追い抜いて2名の逃げが決まる。そして後方からリアム・ウォルシュ(CBW)が追いついて3名の先頭グループとなる。
メイン集団は逃げを容認し、3周目で先頭3名との差は3分30秒近くに広がった。残り5周でダヴィデ・バルダッチーニ(TFT)、カーター・ベルトス(ROI)、ミゲル・ハイマン(RRN)の3名が先頭の3名を追走、そこにケイン・リチャーズ(ROI)も加わって4名の追走グループができる。残り4周で追いつき、7名の逃げグループを形成した。しかし、その逃げは残り3周でメイン集団が吸収、牽制状態になりレースは振り出しに戻った。ここからが総合優勝争いの本命が動き出す勝負所だ。 ケイン・リチャーズ(ROI)が再び飛び出し、リアム・ウォルッシュ(CBW)が追走をかけ合流、2名が先頭で逃げ続ける。残り2周途中でシモーネ・ラッカー二(JCL TEAM UKYO)が集団から飛び出し、先頭の2名を追い抜いて単独トップに躍り出た。しかし、下りでマーク・スチュワート(TFT)がラッカー二を捕らえ、先頭は2名となった。マーク・スチュアートは総合優勝争いに絡む実力者で、JCL TEAM UKYOとしては警戒が必要な選手だ。
残り2周回を先頭2名で走り続けるが、チームメイトで総合リーダーのファンチェルが後方のメイン集団に残っているため、ラッカー二は先頭を引かない。マーク・スチュアートは自力で総合タイムを稼ぐために先頭を力強く引き続ける。そしてファイナルラップに入っても先頭2名とメイン集団の差は縮まらず、勝負はこの2名に絞られた。そして、ラスト500mの登りゴールに入ったところでラッカー二がアタック、スチュアートに大差をつけてゴールを切った。今日のタイム差で個人時間総合賞のグリーンジャージも手に入れた。これまで4ステージはアシストに徹してきたラッカー二も、いざ勝負に出れば優勝できるというJCL TEAM UKYOの選手層の厚さを証明したステージとなった。
ファンチェルとガリッボは先頭から47秒差のメイン集団でゴールし、明日の富士山ステージでは逆転で総合優勝を狙えるため、チームの誰かが総合優勝を手中に収められるよう戦うことになると思われる。富士山五合目まで駆け上る過酷なステージは、大会最大の山場となりますのでお見逃しなく。
ラッカー二のコメント
「今日もチームが総合優勝をするために、一丸となってリーダージャージを守れるよう走った。僕自身にチャンスが来て、日本で初優勝できたことは嬉しいですし、グリーンジャージまで獲得するとは思ってもみなかったです。2人で逃げ切れたのはチームメイトのおかげです、彼らに感謝しています。」
TOUR OF JAPAN IIDA STAGE RESULT
1. Simone RACCANI /シモーネ・ラッカー二(JCL TEAM UKYO)3 時間06分01秒
2. Mark Stewart /マーク・スチュアート (チーム ソリューションテック-ヴィーニファンティー二)+2秒
3. Valerio CONTI / ヴァレリオ・コンティ (チーム ソリューションテック-ヴィーニファンティー二 ) +47秒
TOUR OF JAPAN IIDA STAGE AFTER GC RESULT
1. Simone RACCANI /シモーネ・ラッカー二(JCL TEAM UKYO)11時間57分39秒
2. Mark Stewart /マーク・スチュアート (チーム ソリューションテック-ヴィーニファンティー二)+2秒
3. Alessandro FANCELLU / アレッサンドロ・ファンチェル ( JCL TEAM UKYO )+9秒