このステージは今大会の「クイーンステージ（最難関ステージ）」に位置づけられており、長い登りと下り基調の区間が交互に現れる厳しいコース設定でした。序盤には2つのKOM（山岳ポイント区間）フォルカ・カルーゾ（ 14km）とジョイア・ヴェッキオ（パッソ・デル・ディアヴォロ経由）（ 14km）があり、続く下り基調でコッレ・デッラ・クローチェの登り口へ。そして、最後には勝負どころとなるロッカラッソの最終登坂が待ち構えていました。この最終登坂はおよそ10km、平均勾配5.7%。前半は安定したペースの登り、中盤にやや緩やかな下りがあり、最後の2kmは勾配7%超、特にラスト1kmには最大12%の急勾配が設定されていました。JCL TEAM UKYOは、これまでのステージと同様にファンチェル、ラッカーニ、ゼライの3選手で上位を狙う作戦で挑みます。

この日は終日雨が降り続く過酷なコンディション。多くの選手がアタックを試みるも、なかなか決定的な逃げが決まりませんでした。25km地点で、キアーン・ワッツ（ Israel Premier Tech Academy）、ベン・グレンジャー（ MG.KVis）、フェデリコ・グッツォ（ Padovani）、ルーネ・ヘレゴッツ（ UAE Team Emirates XRG）、マルティン・マルチェルージ（VF Group）の5人がようやく抜け出し、逃げ集団を形成。一方、ルッカ（ Gragnano）とタリアーニ（Monzon）は遅れてカウンターアタックを試みましたが、メイン集団に吸収されました。この5名は1つ目のKOMで2分20秒のリードを得て、その後の下りと平坦区間でさらに差を広げます。JCL TEAMUKYOの選手たちは終盤の登り勝負に備えて集団内で走行。

2つ目のKOMに差し掛かると、TudorおよびQ36.5 Pro Cycling Teamが集団先頭でペースアップ。差は3分30秒に縮小。さらにPetrolikeが追走に加勢。コッレ・デッラ・クローチェ登坂口で、逃げは2分30秒のリード。最終のロッカラッソ登坂が始まると、ワッツとマルチェルージは脱落。グレンジャーとヘレゴッツが先頭を維持。Israel Premier Tech Academyがメイン集団のペースを引き、集団は約20人に絞られます。残り11kmでデ・ラ・クルス（ Q36.5）がアタックするも、差を広げられず。そこでエディソン・アレハンドロ・カジェハス（Petrolike）がアタックし、逃げの2人に追いついてから単独先頭へ。

その後、デ・ラ・クルスが再アタックし、パブロ・トーレス（ UAE）、マティス・ロンデル（ Tudor）が追走。ファンチェルは登り序盤に苦しむも、集団に復帰し、すでに集団前方にいたラッカーニとともに粘りの走りを展開。ジョルジュ・ツィマーマン（ Intermarché-Wanty）がここで仕掛け、上位集団に合流。先行していたヘレゴッツとグレンジャーは吸収・脱落し、カジェハスは単独でリードを守ります。そのままカジェハスが逃げ切り独走で優勝。ツィマーマンが40秒遅れで2位、デ・ラ・クルスが3位でゴール。ファンチェルは終盤粘って10位（+1分52秒）、ラッカーニは14位でフィニッシュとなりました。

STAGE 3 GIRO D’ABRUZZO RANKING:
1. Edison Alejandro Callejas (Petrolike) in 4h10’53”
2. Georg Zimmermann (Intermarché – Wanty) +40”
3. David De La Cruz (Q36.5 Pro Cycling Team) +46”
10. Alessandro Fancellu (JCL Team Ukyo) +1’52”
STAGE 3 GIRO D’ABRUZZO GC:
1. Georg Zimmermann (Intermarché – Wanty) in 11h07’07”
2. David De La Cruz (Q36.5 Pro Cycling Team) +11”
3. Pablo Torres (UAE Team Emirates XRG) +18”
8. Alessandro Fancellu (JCL Team Ukyo) +1’07”