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【RACE REPORT】Trofeo Laigueglia
レポート
2024.03.01

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【RACE REPORT】Trofeo Laigueglia

大会期間:2024年2月28(水)11時(日本時間19時)
カテゴリー:UCI1. PRO
レース形式:ロードレース 202km
開催地:イタリア
出場:18チーム 126名(WT 9チーム PRT 8チーム CT 8チーム)
JCL TEAM UKYOメンバー:増田小石山本石橋カルボーニベゼンティ

ペゼンティ選手が20位でゴール!過酷なUCI1.PROクラスのレースで4名が完走を果たしました

イタリアのプロレースの2大開幕戦の一つとして知られる「Trofeo Laigueglia」。フランスの国境に近い北イタリアで行われる202kmという長丁場の行程では、62km地点からはじまるパラベンナ峠(7.3km ▲380m Ave 5.2%)と115km地点からはじまるテスティコ峠(7km ▲320m Ave 4.6%)はレースの展開に大きく影響するレイアウト。また、158km地点からは1周約10kmを4周回するコースとなっており、4回の急勾配のミケーリ峠(1.9km ▲167m Ave 8.6% )がレースの最終展開での攻防の舞台となります。UCI1.PROのステータスを持つこのレースでは、最大で200点、35位まで3点のUCIポイントが付与されることから、JCL TEAM UKYOとしては、このポイント獲得も意識した戦いにもなりました。

毎年完走が少ないこのコースの特徴として、厳しい勾配の登りと狭く急カーブが続く下りのレイアウト。そして、ワールドツアー9チーム、プロツアー8チームというハイレベルなレースに対応するためには、長丁場でも良いポジションをキープすることが重要です。

前日のミーティングではこのコースの特徴と前半、中盤、終盤での選手の働きを明確にして一人でも多くの完走者を出し、10位以内にペゼンティ選手、山本選手、カルボー二選手を送り込むというターゲットでレースに挑みました。

当日は北風が非常に強く、時折雨の降る天気の変わりやすい日となりました。選手たちはレース直前までチームの所有するキャンピングカーの中で待機し、ウェア選びを慎重に行い、迫りくるスタート時間にコンディションを調整します。

午前11時、多くの観客が見守る中スタートラインには175名の選手、イタリアチャンプをはじめイタリア国内の有力選手も勢揃いし、これまでとは違った緊張感のある雰囲気となりました。

序盤から逃げる5名と追走のプロトン

山本選手・ペゼンティ選手が40番手あたりで粘ります

レースは序盤からプロツアー1チーム、コンチネンタル4チームの5名が海岸沿いのアタック合戦から抜け出しに成功。20km地点で1分、最初の山岳ポイントが設けられたパラベンナ峠の麓までに5分20秒の差でリードアウトします。後方のプロトンをコントロールするのはワールドツアーチームのグルパマとデカトロンの2チーム。この峠の頂上に最初の山岳ポイントが掛かっており、5名の先行グループも活性化して登ります。

しかし、パラベンナ峠に入るとそれを一気に2分差を詰める程プロトンのペースが上がり、プロトンは最初の振るい落としに入ります。山本選手とペゼンティ選手はここで40番手辺りの良いポジションをキープすることに成功。他メンバー達はやや後ろとなりましたが越えられるポジションに位置しました。

しかし、岡選手がこの峠でメカトラでドロップ、追いつくには苦しい展開に厳しい表情で車の隊列を縫う展開となります。

先行グループは4分差までタイム差を戻しますが、120km地点のテスティコ峠では今度はプロトンの追走が1列棒状になるほど追撃のスピードを上げた事で峠の頂上で1分差、峠を下り最後の40kmの周回(10kmx4LAP)に入る前にエスケープグループをキャッチすることに成功します。

JCL TEAM UKYOの選手たちはこの速い展開に歯を食いしばりながら対応し、小石選手・山本選手・増田選手・カルボー二選手・ペゼンティ選手の5名がラスト40kmの終盤戦に入ります。

1周目 UAEが強烈なスピードでコントロール

カルボーニ選手とペゼンティ選手が食らいつきます

増田選手はメインから少し遅れますが、展開によっては復帰出来るポジションで最初の周回を通過

レースは終盤戦、短いが急勾配と狭い下りの続く10kmの周回、振り出しに戻ったプロトン、いよいよトップチームがレース展開の主導権を握り強烈なペースでプロトンを絞り込みが始まります。この影響で1周目に小石選手はドロップ。4名が残りますが表情に余裕はなく予断を許さぬ状況となります。

そして、この下りで良いポジションにつけていた山本選手が前方の落車に乗り上げてバイク交換、ポジションを落として分裂した集団の後方に取り残されてしまいます。粘る増田選手もやや遅れはじめますが、後方には多くの選手が遅れていることから合流次第では完走が見えてくる位置で2周目をクリアー。ペゼンティ選手、カルボーニ選手は前方40名に残る健闘をみせます。

ラスト1周を前に先頭集団からアタックが頻発、14名に絞り込まれた先頭からさらに5名が抜け出す形で最終の急坂区間に入ります。メンバーはグルパマ マルチネス選手、デカトロン ベンドラーメ選手、UAE クリステン選手、EF ラフェルティ選手、アスタナ スカローニ選手の5名。

ここからグルパマ マルチネス選手が頭一つ抜け出す形で坂区間を終えると他を寄せ付けぬスピードでダウンヒルに突入。このリードを保ったままホームストレートに大きく手を上げて見事優勝を果たします。

最終局面でグループが分断される中で、1分19秒後にペゼンティ選手を含むグループがゴール、20位となります。続いてカルボーニ選手、増田選手、最後に山本選手と4名の選手がフィニッシュしました。

今回、非常に過酷なレースを経験したJCL TEAM UKYO。本場ヨーロッパのワンディレースを戦っていく上での必要な力を痛感し、更なるモチベーションを胸に練習・レースに取り組んでいきます。

JCL TEAM UKYOの応援ありがとうございました!

 

ボアロ監督コメント

このレースでの10位以内という目標や、各選手がどれくらい戦えるパートをミーティングで明確にして挑みました。しかし、レースは厳しくすべての望みが叶うのには力が足りない部分を感じました。とはいえ、僕らの戦っている舞台、ここで経験していることはチームと選手を強く大きくしていくもの。できるなかでの連携もあっての4名のフィニッシュ。良い部分もたくさんあることを評価したいです。

ペゼンティ選手コメント

ハードな戦いでしたが、スタッフ・選手ともに万全の体制で挑めた結果です。次の試合に向けコンディションを高めていきます。

増田選手コメント

過去に2度経験して初めて今年完走できたことは正直嬉しいです。しかし、もっとエースたちのために働ける力が足りなかった。厳しいレースでも働ける力をつけていきたい。

最終個人順位

DST 202km  Ave 38.9km/h

1   MARTINEZ Lenny   Groupama – FDJ            5:11:10

2   VENDRAME Andrea  Decathlon AG2R          +0:29

3   AYUSO Juan       UAE Team Emirates    +0:29

20 PESENTI Thomas    JCL TEAM UKYO        +1:19 UCIポイント+5

41 CARBONI Jovanni   JCL TEAM UKYO      +2:56

59 増田成幸        JCL TEAM UKYO         +5:36

69 山本大喜        JCL TEAM UKYO         +6:48