「THE ROAD RACE TOKYO TAMA2023」日本のロードレースの歴史に残るレガシーイベントとして今年初開催となるロードレース。八王子市をスタート地とした1964年の東京オリンピックのコースを起点に、記憶に新しい東京2020オリンピックコースのスタート地となった調布市をゴールとする二つの五輪の歴史を結ぶコースレイアウト。

八王子近郊の丘陵地と首都圏の主幹道路を組み合わせたコースは、高低差はあまりなく距離も短いため集団スプリントが予想されます。しかし、連続して続くアップダウンと市街地の交差点を抜けるコーナーリングは攻撃を仕掛けやすいシチュエーション、抜け出したメンバーによっては逃げ切りもあり得るので、JCLTEAM UKYOは後者の展開へ持ち込むべくレースに挑みました。

当日の天気はキリッと冷えた快晴、多くの観客が足を運んだ富士森公園のスタートラインには、国内UCI登録12チームと学連、実業団チームを合わせて111名の選手が並びました。

スタートが切られ八王子郊外の周回コースに入ると、オープニングアタックは山本選手、そして続く増田選手と動き出し展開を活性化させます。エスケープへメンバーを送り込みたいチームがプロトンの左右から抜け出しを図る混沌とした状況が続く中、30㎞を経過する頃に群馬グリフィン金子選手、愛三工業レーシング石上選手、ブリヂストン松田選手を中心とした6名の抜け出しが決まります。

プロトンと15秒近いギャップを生み出すものの、この強力なメンバーをプロトンは許さず追撃体制を崩さない展開で差が開きません。レースが振出しに戻ると一度ニュートラル走行区間でプロトンはペースダウン。再びレースが解放されたタイミングを見計らい山本選手が深い前傾姿勢で飛び出していきます。

これを呼び水に合流したのはチームブリヂストンの兒島選手。後半はチームブリヂストンが牽引し集団スプリントという展開を予想していたチームは多く、プロトンでは主導権を握るチームが出てこない状況。この間に山本選手と兒島選手は協調してラスト30㎞の尾根幹道路でリードを広げていきます。しかし、残り13kmへ近づいたポイントでイン側の鉄柵にハンドルをとられコーナーで山本選手が転倒、兒島選手が単独になるハプニングが発生します。

「あとちょっとの所で転んで勝負を逃したのは本当に悔しい。振り返ればこういう悔しい日をバネに強くなってきているので、怪我を早く治して次の試合は更に強くなります。こんな大きなスケールのレースが東京で開催出来きたこと、このレースで戦えたことに感激しています。また来年リベンジしたいです！」

Result TOP 3

DST 72.6km Ave 44.7km/h

1位　兒島直樹　チームブリヂストン  1:29’13”
2位　岡本隼人　愛三工業レーシング  +0’03”
3位　佐藤健　　愛三工業レーシング  +0’03”

5位　岡篤志　　JCL TEAM UKYO      +0’03”
62位  山本大喜   JCL TEAM UKYO      +0’15”

敢闘賞
山本大喜　JCL TEAM UKYO