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BACK【レースレポート】ツール・ド・おきなわ
怪我からの復活を経て山本選手がツール・ド・おきなわを制す!
大会期間:2023年11月12日 開催地:沖縄県
レースカテゴリー:UCI1.2
レース形式:ロードレース
出場チーム数:15チーム〈1チーム5名体制〉68名出走 62名完走
JCL TEAM UKYO参加メンバー:山本選手、増田選手、石橋選手、アール選手、プラデス選手
大会URL:http://www.tour-de-okinawa.jp
2023シーズン最後で最長200kmのUCI公認国際ロードレース
国内のレースシーズンを締めくくる国際ロードレースとして定着しているツール・ド・おきなわ国際ロードレース。
コースは名護市役所前をスタートし、海岸沿いに北上する道中にはおきなわ北部を横断する普久川ダムの峠を2度通過、東海岸のアップダウンを越えて南下します。更に長く勾配もキツい番越トンネルを抜ける峠をクリアし名護市へ下り切ると平坦を2㎞走りゴールというレイアウト。
レースは80㎞を越えてから峠やアップダウンが120㎞続く長丁場、JCL TEAM UKYOは過去3回優勝経験のある増田選手、前年度優勝のプラデス選手、先週の山口の大会で復調ぶりを魅せたアール選手と山本選手、このレースの経験も豊富で2019年には4位となっている石橋選手という布陣でレースに挑みました。
当日の天候は生憎の雨、この日は気温も低く選手たちは直前までホテルで待機し、防寒着を着てレース前の消耗を避けます。スタッフはタイヤの空気圧を最終チェック、雨用のオイルをチェーンに塗り、万全の対策でスタートに迎えるように準備。選手たちはスタートラインに直前に並びそのまま出走となりました。
200㎞のレースは抜け出せば大きなタイムギャップを付けやすいため、序盤から各チームのアタックが繰り返されます。前日のミーティング通りここでの対応は増田選手を中心にチームは動き、他のメンバーの足を温存させます。メンバーを入れ替えながら抜け出してはキャッチされるという展開も1時間が過ぎると4名がプロトンとの差を広げる事に成功します。メンバーはキナン 孫崎選手 / 宇都宮ブリッツェン フォン選手/ ザワーランド レナート選手/ WPGA ジャスティン選手です。更に後発で台湾 リー選手、サンブレイヴ 白尾選手の2名がブリッジに成功しリーディンググループが6名となるとプロトンはこれを容認しスピードダウン。一気に5分の差が開くと、後半が勝負所とみたチームが先行グループとの差を調整しながらコントロールがはじまります。ここには石橋選手が状況を読みながら他チーム強力体制に入りレースは進みます。
2度目の普久川ダムの峠に入るとその差は8分、ここでプロトンから単独で攻撃に出たのはマトリックスのマンセボ選手。この動きには活性化はせずにスピードを高めて複数のチームが協調した追走体制を続けます。登りを得意とする石橋選手も先頭でレースを牽引し、後半70㎞の先行グループへのチェイスがはじまります。一方、先行グループはキナン 孫崎選手が山岳賞を狙うアタックを開始すると長い時間逃げ続けていたメンバーの足の差が出はじめ、遅れる選手が出はじめます。
残り30km、4名となった先行グループの構成はリー選手/白尾選手/孫崎選手/レナート選手。後方に1分差に単独でプロトンから飛び出してきたシマノ寺田選手、さらに1分後に各チームのアシスト勢が牽引するプロトンとレースが振出しに戻るのも時間の問題となってきました。
ラスト20㎞、いよいよレースが振出しに戻るとマトリックス マンセボ選手/キナン 山本選手/シマノ 入部選手/JCL TEAM UKYOの山本選手の4名がカウンターアタック。一気にプロトンとの差を1分近くまで広げます。全員がナショナルチャンプ経験者という強力な逃げに逃げ切りも予想されましたが、名護市へ入る最後の番越トンネルの峠へ差し掛かるとまだ人数も多いプロトンが猛追し4名をキャッチします。ここで攻撃に出たのはアール選手、厳しい登りを全力の走りで差を広げに入ります。
10秒ほど離れて強力な追い上げをするヴィクトワール広島のダイボール選手の後ろには山本選手が番手に付き次の展開に備えます。アール選手が捕まると先頭に残った数人の選手の中から山本選手が再びアタックします。ここにシマノ風間選手が飛びつき名護への下りへ入ります。下り区間で少し遅れた山本選手でしたが平坦区間で風間選手を捕らえ、ゴール前のホームストレートに入ります。風間選手の呼吸の荒さを感じ取った山本選手がゴールまでの距離を冷静に図ると一気にスプリントで抜け出し先行、勝利を確信し拳を突き上げてゴールへ飛び込みました。山本選手は今季UCIレース3勝目(ステージ含む)、ナショナルチャンプとなって初の優勝を見事飾りました。
昨年とはまた違った展開となったツール・ド・おきなわ。最後の峠まで崩れなかったレースをJCL TEAM UKYOの選手たちは好連携で優勝に導きました。2024シーズンのランキングに反映される11月のUCIポイント40点を稼ぎ、アドバンテージをもった状態で今シーズン最後のUCIレースを最高のカタチで締めくくることが出来ました。
山本選手コメント
「チームメンバーが勝利にこだわってレース序盤から本当に良い連携ができました。勝負を任された自分に余裕があったのも彼らのおかげだと感じています。怪我からの復活、ナショナルチャンプになって初めての勝利がおきなわになったことが本当に嬉しいです。」