JCL TEAM UKYO

NEWS

BACK
【レースレポート】美祢・秋吉台カルスト国際ロードレース
レポート
2023.11.05

SHARE

facebook twitter line

【レースレポート】美祢・秋吉台カルスト国際ロードレース

カルストベルグの坂での3名のマッチレース、 プラデス ベンジャミ選手が大会2連覇で制す!

今年はUCI公認の国際ロードレースとしての開催となった「美祢秋吉台カルスト国際ロードレース」。レースはジオパーク周辺をメインに組み入れた1周30.7 kmを4周回する総距離122.8 kmで行われました。周回コースとはいえ1周の周長は長く、日本最大級の広さを誇るカルスト台地は、ダイナミックなスケールのアップダウンに登坂力が試されます。そして、ゴール前に控える激坂セクションの「カルストベルグ」は平均勾配15%とヨーロッパのクラシックレースを彷彿させるシチュエーション。最終周回、この頂上をトップで駆け上がるのは誰になるのか注目が集まりました。

各チームの戦略が随所でレースを動かした過酷な展開

レース当日の天候は快晴。気温も11月にしては23度と暖かく、選手たちは薄着でスタートラインに並びました。地元の子どもたちの和太鼓のエールを受けてレースはスタート、絶景のカルスト台地にレースの大集団が現れました。

レースが動いたのはカルスト台地の往路を終えた直後の周回路。宇都宮ブリッツェンの阿部選手を中心とした16名で抜け出したリーティンググループは、1分半近くまでリードを広げます。JCL TEAM UKYOは、この抜け出しに選手を送り出すことができませんでした。そこで、後方でビクトワール広島を中心とした追走体制に入り、登りの中腹ではJCL TEAM UKYOがタイム差を縮めにかかります。

カルストベルグの登りでは先頭へ大きく近づくも、山岳賞争いの動きで遅れた先行メンバーを吸収すると再び差が開き始めてしまいます。2周目の山岳賞はキナンレーシング 山本選手がトップで通過。この動きで6名に人数が絞られるとここに3名を乗せている愛三工業レーシングが主導権を握り約1分のタイムギャップが開きます。

2周目の復路に入ると追走グループを引くのはJCL TEAM UKYOのプラデス選手。カルストベルグの坂の入り口では30秒まで先頭との差を縮めます。一方、先頭グループは2回目の山岳賞争いに再び活性化するとややバラける展開となり、ここに追走してきた7名が追いつくと、そのまま3周目の山岳賞は後方から追いついたキナンレーシングのルバ選手が獲得します。

2回目の山岳賞を終えて先頭グループはシャッフルされた7名の選手で再構成されます。ベンジャミ・プラデス選手、ネイサン・アール選手の2名を乗せているJCL TEAM UKYO、キナンレーシング、愛三工業レーシングの3チームと単騎はヴィクトワール広島のダイボール選手。しかし、後方の数名も20秒程度と近いことから一度彼らを合流させる流れを選びます。

最終周のカルスト台地の往路を終えて平坦の周回路に入ると再び6名が抜け出します。各チームのエースがこの逃げに乗ったため後方グループは牽制に入りスローダウン。すぐに1分の差が開き終盤の決定的な展開となります。先頭はプラデス選手、宇都宮ブリッツェン 谷選手、キナンレーシング ルパ選手、ヴィクトワール広島 ダイボール選手、愛三工業 渡邊選手と石上選手の6名。互いの脚を見ながらも協調体制を組み、最後のカルストベルグの坂へ突入します。

ここで最初に仕掛けたのは石上選手、この動きで渡邊選手と谷選手がドロップし4名に絞られます。さらに畳み掛けるようにダイボール選手がペースを上げると今度は石上選手が力尽き、先頭3名で中腹の登り切りを抜けていきます。この下りで攻撃に出たのはプラデス選手。少しリードを広げながら登り返しへ侵入し残り1㎞を迎えます。

 

再び3名が一つになるとダイボール選手がアタックにでますが、プラデス選手とルバ選手はそれを許しません。レースはいよいよラスト300mの激坂区間に突入、ここで鋭いアタックで先行したのはプラデス選手。軽量の身体から生み出す渾身の力はスピードが高く、番手で捲りをかけるダイボール選手を抑えて見事大会2連覇を成し遂げます。清水監督が指揮を執る最後のレースを、勝利で飾ることができました。

プラデス選手コメント

「前半チームが後方に取り残された時はさすがに焦りましたが、チームメイトの助けを受けてレースを振り出しに戻しました。そこからは自分の強みが活きる展開となり、最後もタイミングをうまく読んだスピードアップで勝つことができました。とにかくこのレースを勝てたことが嬉しい。」