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【レポート】ツール・ド・九州 Stage3
レポート
2023.10.10

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【レポート】ツール・ド・九州 Stage3

開催期間:2023年10月6日(金)~9日(月・祝)

レースカテゴリー:UCI2.1(1クラス)

開催地域:福岡県、熊本県、大分県

出場チーム数 18チーム〈1チーム6名体制〉

JCL TEAM UKYO参加メンバー 選手、武山選手、増田選手、アール選手、プラデス選手、(石橋選手:棄権)

大会URL:https://www.tourdekyushu.asia/

プラデス選手が山岳リーダーを守り総合4位、チームは総合2位でツール・ド・九州を終える

第3ステージは全日本選手権やJCLプロロードレースの舞台となったオートポリスをスタートし、そのサーキット内を3周回後、日田市中心部へ下ってゆき11kmの丘陵地を5周回するレイアウト。コースプロファイルからはイメージできないほど、起伏の変化とトリッキーな下りがレースを厳しくしています。JCL TEAM UKYOは前日のステージで総合5位に山岳ポイントリーダーを獲得したプラデス選手をエースに、いかに山岳賞ジャージのキープと総合成績のジャンプアップを狙うかがチームの戦略の要になりました。

特に山岳ポイントで2番手につけるEF留目選手とは2点差という僅差。清水監督は「序盤で増田選手かアール選手を少人数の逃げに乗せて、総合リーダーを擁するアスタナに容認させることで山岳ポイントを留目選手に稼がせずにプラデス選手を後半の勝負に温存させる」という画策で試合に臨みました。

レース当日のオートポリスは霧が立ち込める会場となりました。こうなると視界の悪い下りでも大きな差が生まれると読んだプラデス選手の考えを加えてJCL TEAM UKYOは前半から攻撃に出ました。オートポリス内に設けられた前半のスプリントポイントはポイントリーダーの兒島選手を守るチームブリヂストンが支配して進行していきます。

そして迎えた最終回に霧の中から十数名のエスケープが現れます。ここに武山選手、増田選手、プラデス選手が乗ることで、後方に取り残されたEF勢に先手を打つ流れを作ります。こうして形成された先行グループも下りで後方から選手が追いつくなどシャッフルを繰り返しますが、武山選手はプラデス選手を牽引して最初の山岳ポイントを獲らせる事に成功します。

この時点で山岳ジャージを確定させたプラデス選手は後半へ向けて力を温存しながらレースを展開していく余裕を得ます。トリッキーな下りは選手の入れ替えが頻繁に起こり、2度目の山岳で先頭グループのメンバーが固まります。そしてなにより前日の総合成績でリーダーチームとなるアスタナはゼイツ選手とニーバリ選手2人のエースを除き、アシストメンバーが全て後方グループに取り残されてしまうという展開を生み出してしまいます。これを好機にヴィクトワール広島のダイボール選手、キナンのカバナ選手、ARAのトレザイス選手の3名。

後方のグループはこの強力なメンバーの逃げを許してしまいます。アスタナのゼイツ選手とニーバリ選手はこの時点で総合5位のプラデス選手と総合4位のイーヴス選手の動きに牽制し、彼ら3名とのタイムギャップは日田市の周回コースに入る過程で大きく開いてしまいます。すでにレースは総合成績でトップに立つアスタナのゼイツ自身が彼らを追走し続けるという状況に追い込まれていきます。

小周回に入るまでに開いたタイムギャップは1分50秒の差。追走グループと大きく離れた展開に、総合成績でバーチャルリーダーとなったのはヴィクトワール広島のダイボール選手です。強力な自脚で追随を許さない走りを展開します。リーダーチームのアスタナの枚数不足でこの差が縮まらない追走グループは、後方に遅れているグループを合流させ再度チェイスに出る流れを汲みます。アスタナと共に先頭を引き続けている武山選手もこの動きに従い、2つのグループが繋がったプロトンは大きな勢力となりフォーメーションを整えることに成功します。

ラスト1周、30秒差に迫る先行3名とプロトンのタイムギャップ、誰もがレースは振出しに戻り大集団のゴールスプリントを予想する中で、先行するダイボール選手が渾身の力で踏みなおしギリギリの差を保つ攻防が続きます。最後のホームストレート、300m前で15秒という差に勝負を確信した3名のゴールスプリントがホームストレートで繰り広げられます。後ろからは猛追する愛三工業の岡本選手、そしてプラデス選手もプロトンの先頭でスプリントを開始します。135㎞のレースは10秒に迫るタイムギャップをかわしてARAのトレザイス選手のスプリント勝利を飾ります。

すぐに現れた後続プロトンのトップは愛三工業岡本選手、そして2番手にプラデス選手が入りステージ5位で最終ステージを終えました。

ロードレースならではの数秒差での攻防に会場を訪れた観衆は大いに盛り上がり、第一回のツール・ド・九州はドラマチックなフィナーレに幕を閉じました。

チーム一丸で戦ったJCL TEAM UKYO、プラデス選手を全力で守ったチームメイトにより総合4位、山岳ポイント総合リーダーを獲得し戦いを終えることが出来ました。

次週は日本最大のワンディレース、ジャパンカッププロロードレースが宇都宮で行われます。JCL TEAM UKYOの応援をよろしくお願いします。

プラデス選手のコメント

「今日は序盤から武山選手を始め選手が良く動いてくれました。重要な2回の山岳でチームがリードを続けたことで、山岳ジャージを守るというミッションをクリアすることができました。チームメイト全員に感謝です」

清水監督コメント 

「何度もメンバーが入れ替わる厳しい展開の中、皆が最後まで気持ちを切らさずによく頑張ってくれました。下見も入念におこない、メンバー全員の力で戦える状態を作れたのが、今日の結果に繋がったと思います」

Result 第3ステージTOP3  DST 129km Ave 43.6km/h

1位 トレザイス・デクラン     ARA スキップ キャピタル   2:57’32”

2位 カバナ・ライアン       キナンレーシング     +0”

3位 ダイボール・ベンジャミン ヴィクトワール広島  +0’02゛

5位 プラデス・ベンジャミ    JCL TEAM UKYO     +0’08”

34位 岡篤志           JCL TEAM UKYO     +0’08”

個人総合成績

1位 ゼイツ・アンドレイ   アスタナ・カザフスタン 9:13’30”

2位 ニーバリ・アントニオ  アスタナ・カザフスタン +0’25”

3位 イーブス・ウィリアム  ARA スキップ キャピタル +0’33”

4位 プラデス・ベンジャミ  JCL TEAM UKYO           +0’35”

15位 アール・ネイサン    JCL TEAM UKYO           +4’01”